saikaanin’s diary

転職ばかりしていたわたしの過去

21.あなたは私に、あなたが何者であるかを証明する必要はない➃

「最近ショーター迎えに来ないね、イージュン?
まさか、喧嘩でもしたの?」
それを聞いたイージュンの表情が硬くなったので
イは、(しまった!)と思いすぐに話題を変えようとしたが
「ううん。ショーター忙しいんだ。店以外の用事が。
それよりねえ、また行こうよ!あそこへ」
「え?またってまさかイージュン・・・?ははあ。
結構気にいっちゃった?最初はあんなにびびってたのに」

”本物の銃声はパパァーンって感じで軽い”
なんてだれが言ったんだろ?

射撃場に鳴り響く音はとてもじゃないが
軽いとは言えない
ガガァーン、ドンドンと腹にくる

「この前マダムがサリー姿で撃ってる
のには参ったな」
とワタル
「結構、さまになってたよね」
「うん、かっこよかった」
「イージュン、腰ひけてたよね」
「そーなんだ、しっかり握ってるつもりでも
なんか反動でふらついちゃった」
とわいわいはなしていると
黒髪の女性がスイとその横を通り過ぎる
ふわっと薫る官能的な香水にイージュンは
はっとした

(あの人だ)

射撃場にはパーティションが設置してあり
彼女はそれに遮られ見ることができない
(1人で…撃ちにきたの?)

「さーお嬢さん!構えて」
スタッフに促されイージュンは台に
乗せてある銃を手に取る
ずしりと重い・・・

これはアメリカの象徴

これで自由を勝ち取った

これを国家に向けても構わない