20.あなたは私に、あなたが何者であるかを証明する必要はない③
マリアはスマホに
【銃撃戦、○○ストリート、ゲイリー 死】
おもいつくワードを打ち込み画面にあがる
動画やコンテンツに見入る
すると・・・
”オーサー、アッシュ・ストリートギャング、チャイニーズマフィア
ゲイリー、巻き添え”
(いまどき白人のストリートギャングなんて・・・
でもゲイリーは気にはしてたな。)
(そうだ、ショーターあの男どうみても堅気じゃない
しかもチャイナタウンはゲイリーが殺された場所から
そんなに離れてないし,なにか知ってるかもしれない)
張大飯店
店の扉ががらがらと開く
イージュンはにっこり笑い
「Hi」と客に挨拶する
黒髪のすらりとした美女が立っている
「Hi、あなたショーターの妹?」
(え・・・?なんてきれいな人なんだろう!ショーターの知り合い?)
「妹じゃないよ、えっとショーターは今出かけてる
座ってちょっと待ってて、すぐに戻ると思うよ」
急いでジャスミンティーを淹れると彼女の座っているテーブルにおいた
店の裏の方でガタガタ、ガサガサ音がして
「イージュン!あの景気商工のおやじまた
値上げしやがって、お前が行ったらまけてやるってよ
ったく、すけべジジイ!!」
「ショーター、ショーター、お客さんだよ」
「ああ・・・?」
「マリア?ーーいやあ、来てくれたんだ!なんか困ったことでも
あるのか?」
イージュンはショーターの表情を見て
(ああ、ショーターこの人のことが好きなんだ・・・
いつもと違うショーターの顔ーあれ?なんか悲しくなってきた
え?なんで悲しくなるんだろ・・・ちょっとこの状況つらいなあ)
2人はテーブル席に向かい合わせて座り
マリアの方はひどく深刻な表情だ
「・・・そうこの日にさ銃撃戦があったの知ってる?」
「今すぐは思い出せねえけど・・・心あたりのあるヤツ
に聞いてみるわ」
「オーサーとかアッシュとかって聞いたことある?
この辺りを仕切ってる、まあチンピラのボスみたいなんだけど
今時そんな連中いるのかい?」
ショーターはぎくりとする
ひょっとしてあの時の・・・
リュウがアッシュの加勢にかけつけ誰かの撃った銃が
通りがかりの男にあたり死亡したっていう
「撃たれた人間が知り合いなのか?」
マリアはうつむき、なにかをこらえるように
「私の恋人が・・・撃たれて死んだんだ」
ショーターはショックで声が出ない
(なんてこった・・・ー!あの男はマリアの・・・)