saikaanin’s diary

転職ばかりしていたわたしの過去

10.紫の雨②

ショーターとの張大飯店での初日イージュンはぶっ倒れそうになった

翌日寝坊をし、学校へは遅れてしまった…

「イージュンどうしたの?」
韓国人のイ・ジアが声をかける
イージュンはぼうっとした頭で
「うん、寝過ごしちゃった」
フレンチガールのジャニが
「なんか昨夜はいいことでもしたの?」
「やだあ、なによぉジャニ」

「チャイニーズレストラン忙しい?」
インド人マダムが心配そうな表情で尋ねる
「うん、そうなんだ!」

国籍も違うし年齢もばらばらなのに…ここにくると
安心する。

終了の時間になるとすぐに
「ねえ、君チャイナタウンのどこの店にいるの?」
あの美容師の男の子が声をかけてきた
「あ、あのね…」
みんなで一緒に表へ出たところ
「よお!イージュン、お迎えに来たぜ!」
大きく手を振るショーターがいる…
「ナマステー。アンニョンハセヨ!ボンジュール」
と各国の言葉で女の子たちにご挨拶

イ・ジアがすかさず
「ね、あの紫の髪のナイスガイ誰?
「あーと…」
「ね、あなたイージュンの彼氏?」
「いや~ちがうよ親戚、親戚」
「ねえ私のイケてない英語通じる?」
「イケてるさ、そのつたない英語がセクシーだよ」

(なんだか、あっという間にクラスメイトと仲良くなったショーター)

「おっと、こうしちゃいられねえ。イージュン俺の後ろに乗ってくれ!
バーイ、ハニーちゃんたち。またな!」

(わたしも台湾ではバイクに乗る…3人乗りなんて当たり前だけど
ショーターあんたの運転は怖いのよー

バイクから降りるとフラつく足でショーターと買い出しへ。
いやもう頭で細かいことを考えると行動がおいつかないのでショーターの
いうがままに動いているイージュン

ただイージュンはふと気が付いた

(昨日から私ほとんどママのこと思いだしてない。)
ちょうど一年前イージュンの母が亡くなった
(ママが死んじゃった日パパと二人で抱き合って
わーわー泣いたっけ)

厨房で玉ねぎの皮をむきながらだったので涙が流れてきた

「おーいイージュン、仕事中は座ってちゃだめだぞ」
(はあ??)
「だからぁお前さ…!」
「私たってるよ」
ショーターが厨房を覗き込んだ
「あ!すまねえ、あんまりちっこいんでてっきり椅子に
座ってんのかと…」
(いやもう、ほんとにこの男頭にくるわ!)