saikaanin’s diary

転職ばかりしていたわたしの過去

3.黄色い砂③

マーディアの弟ショーターのいないまま1週間が
たちイージュンは学校と、張大飯店の手伝いの
忙しさに彼の存在を、すっかり忘れていた

ある深夜の出来事

イージュンはぐっすり眠っていたが、大きな音で
目が覚めた

荒々しい気配が階下でする

声をおさえようと話しているが強い語気の
男の声がする

「すまない。しばらくリュウをここに置いて
もらえないか?落ち着いたらすぐにアッシュの
知り合いの医者に診せに行く」

イージュンがそっと厨房の物陰からホールを
のぞくと大きな男が二人、一人は右腕から血を
流しているもう一人はサングラスをかけぜぇぜぇ
息が荒い壁にぐったり体を持たせかけている

「あなたはなんともないの」
「ああ、心配かけてごめんよ」
その男はサングラスを外し、額の汗をぬぐうと
また壁にもたれかかり

リュウ、おめえのでっかい図体ここまで持って
くんのは全く骨が折れたぜ!」
イージュンは小さく「あっ!」と声をあげ
サングラスの男をどこかで見た記憶があると思い…

(-それがどこの誰でナンだったか思い出せない)

次の瞬間、彼はすばやい動きでイージュンのいる
方向に銃を向けねらいを定めた

「誰だ!」

「マーディー!私よ」

「ショーター銃をしまって。あなたにずいぶん前に話した
けれど黄怡君(ホアン・イージュン)よ。私の知人の娘さん」