saikaanin’s diary

転職ばかりしていたわたしの過去

23.堕天使①

(誰?マリアがどうしたの?)

「ショーター!ショーター!」

車はニューヨークへ向かって加速する
ショーターは口を一文字に結んだままだ
チャイナタウンの近くまでくるとショーターは
イージュンをおろし
「帰ったら姉貴のいう通りにしてくれ」

店の前では近所の人が数人集まりひそひそ話している
「おお・・・イージュン」
「おじさんどしたの?お店の前で」
「いや、子猫の死体が・・・」
「おじさん!!」
店の中から水を張ったバケツをもったマーディアが出てきた
「イージュン、なんでもないのよ」
しかし点々と血の跡が路面にあり
”きをつけろ!台湾の子猫ちゃん”
と警告のように、赤い塗料で書かれている

マーディアはイージュンに荷物をまとめるように言い
「本当にごめんなさい。でももしあなたになにかあったら
あなたのお父様と、そして…お母様にお詫びのしようがない…」
「マーディア私まだ学校が…それに友達にも
お別れ言いたいし・・・。」
イージュンは言っても無駄だと知りながらだだを
こねるように、マーディアに向かって訴える
マーディアは首を横に振る
(イッタイ、ナニガオコッタノ?)