saikaanin’s diary

転職ばかりしていたわたしの過去

寝る前ショーター46

黄色い砂(イージュンがN.Yに来てから編⑦)

何も俺は意地悪してるわけじゃない
張大に来る客はほとんどが常連だ
オマケに俺か”張さん”が厨房にいるときには
客は決まったものしか頼まねぇ

それはまあ俺の料理がアレだから・・・で

イージュンがオーダーとるのはたやすい
と思ってた
実際そうだった

「よお、マーディア今日は蒸し鶏の・・・
ゲッ、ショーターかい?!」
「なんだよその言いぐさ、いいぜ蒸し鶏のなんだ?」
「いや、いいよ炒飯と汁ソバで」
緊張した顔でイージュンが伝票を片手に
常連の横に立ってる
「Can I help you?」

「お、イージュンちょっとは
英語上達したか?」
イージュンはにこっと笑うとオーダーを
ヤツに聞き直し俺に伝えた後

「これでいい?」
と少し緊張が解けたような表情
上等!

姉貴の手伝いをしていた事もあって
客のなかでもいくらかは
イージュンを知ってるようだ

そしてイージュンは俺が思ってたよりも
随分よく動いて働いた

寝る前ショーター45

黄色い砂(イージュンがN.Yに来てから編⑥)

「店をでてまっすぐ1ブロック歩いたとこを左へはいると”景気商行”って店がある。
そこで〇〇と△△を買ってきてくれ。帰ってきたらこいつと
あれとそれを洗ってここにいれとけ」

お、不安そうな顔だな
まあお使いぐらい行けるだろ!
さて俺は仕込みの準備でもするか

「ショーターこれでいいかしら?」

頼んだものは買えたみたいだな
なんかニコニコしてんな・・・

「あのお店のおじいさんとおばあさん
にオマケしてもらちゃった。へへ」

ちぇ、スケベじじぃ・・・

イージュンは俺が指示した通り作業をこなしたが
何か聞きたいことがあるらしい
でも英語で説明できねえみたいだ

エプロンのポケットからメモと
メカニカルペンシルを取り出すと
図説し始めた

こいつ絵うまいな~

その下手くそな英語よりよっぽどわかるぜ

ただ料理の方もなかなか手際がいい
どんどんやってもらおうじゃないか!
野菜切
盛り付け
揚げ物
そうだ!オーダーとり!

「えー!やだ!!まだ英語がそんなにできないのにぃ」
へへへ、情けねえ顔
「いや、イージュンオーダーをとることで
君の英語力はぐっとあがるぜ!」

寝る前ショーター44

只今バナナフィッシュカフェ中


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どうだ!

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「おっかさん‼️俺のファンの鏡」

でしょ❓

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このドリンク"ショーター"って言うんだけど
オーダーすると、カフェの定員さんが
「ショーターさまですね!」
と元気よく仰る・・・

グッズ買うときも、ショーターの
アクリルスタンドだと
またもや「ショーターさまですね!」
とのたまう😊

は、は、恥ずかしい(*/□\*)

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カフェメニュー

トーフとシャケのサラダボウル

N.Y.スタイルタコス


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写真撮るの忘れたのが

サバミソメルトドック

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野菜多めのヘルシーディッシュ

私正直、フードメニューには
なんの期待もしていなかったのですが
分量も味も、ちゃんとしてました。

お姉ちゃんとは吉田秋生先生
の漫画の話と
彼女はスティングファンのため
オーサーの話題等で
楽しく過ごしたのだ‼️

寝る前ショーター43

黄色い砂(イージュンがN.Yに来てから編⑤)

「ショーター別にいいのよ、お店は閉めてもらって
ほんの数日だし、ただあの子の様子を見てもらえれば…N.Yに来た
ばかりで、たった一人にするわけにはいかないし」

「ええー!マーディア大丈夫だよお。一人で。学校も明るいうちに終わるし
、絶対一人で夜遅くに出かけたりしないから」


「いんや。店も開けるよ、閉めてる間に変な連中にどーにかされても困るしな」

こんなちび1人でこの店に置いといたら危なくてしょうがねえ。何がホテルに宿泊するだ?
その金も親に払ってもらうんだろ。
俺にとっちゃどうでもいいけど、こっちの都合での予定変更だから。さすがに気がとがめる・・・

しかも生意気に俺とのステイは、嫌らしい。
クックック
「それとも俺になんかされないか心配してる?ははは!
大丈夫お前みたいなちびに興味ねーから」

お、言い過ぎちまったかな?
ふくれっ面してやがる。
ちょっとかわいいな

さて、イージュン俺は姉貴みたいに甘くねーぞ。
気に入らなきゃ台湾にとっとと帰んな。

寝る前ショーター42

黄色い砂(イージュンがN.Yに来て間もなく編)➃

姉貴は悪びれる風もなく涼しい顔で
「だって、あなたに迷惑かけたく
なかったのよ」
「なんで、弟の俺に頼らずアッシュ
なんだよ!第一・・・・!」

そこへイージュンが学校から帰ってきた

俺の顔をみてにこっと笑うと
「ショーター、こんにちは
お久しぶり」
澄んだ声、英語のイントネーションも悪くない
いかにも闇の世界とは縁のない感じだ
そして、アクセサリーなんか一切身につけておらず
化粧っけもまるでない
そんなもの必要のないきれいな肌なのだ

寝る前ショーター41

黄色い砂(イージュンがN.Yにきて間もなく編)③

リュウ!おめえいいかげんにしろ!
何回深酒して店に遅刻してんだ!
せっかく恵記商工のじーさんが
半人前のお前を雇ってくれたのに
何考えてんだ!」
「まあまあショーター、そんなに
怒ってやるな・・・
わしら年寄りじゃできんかったこと
この子はいとも簡単にやってくれる
それに近所で評判いいんじゃ」

奥さんも一緒になって、リュウをかばう
「そーなんだよ、ショーターとおんなじで
ほんと年寄りに親切にしてくれる。実の
孫よりかわいいよ」
「おばちゃん、それは俺もわかってる
けどな、仕事に遅刻せずに来ることが
できねえんじゃ話になんねえだろっっ!!」

やれやれ、こんなことは日常茶飯事

リュウは実はましなほうで
他の奴らは薬の運び屋をやったり
車の窃盗、不法入国の斡旋
そうやって、刑務所とコッチ側の往復
してるうちにまともな仕事につくことが
できなくなってくる・・・

あー!!

「そうだショーター、台湾からきた
あの女の子
イージュンっていったかな?
マーディアがレイカが亡くなったんで手伝いに行かなきゃ
なんないからって・・・あんたあの子の面倒
みてやるんだろ?」
「????」

俺はまだイージュンとは一回しか会ってない
しかも不意をうたれたような感じだったから
思わず満面の笑みをアイツに浮かべちまった・・・

小柄な娘で、銃を持った俺をぽかんと
見つめてた、怖がりもせず

寝る前ショーター40

黄色い砂 (イージュンが来る前~来たぐらい 編)②

ったく!じょーだんじゃねえ!!
どこの馬の骨ともわかんねえ奴を
俺たちの店に
長期滞在させてしかも俺の部屋を貸すだの
くそ!なにが語学留学だっ!

この辺にいる俺を慕ってくるガキどもは
ろくに学校もゆかねえ、親にもかまって
もらえねえ・・・将来はクソみたいな
チンピラになるしかないような連中ばっかだ

だから俺はそいつらをまとめあげ
なんとかなんでもいい、裏社会じゃない
まっとうな仕事につけるように
がたがた不器用ながらも動いてんのに・・・






「おい、スキップ」
「なに、ボス?」
「張大飯店でなにかあったのか?」
「あ~・・・」
スキップは苦笑しながらアッシュに話す

「へぇ、それでショーターの機嫌が悪いのか」
「この前ボーンズと張大にいったんだ。
そしたらいたよその女の子。
マーディーにすすめられてその子の
作った料理食ったけど、美味かった!!」

プルループルー
アッシュのスマートフォンが鳴る
「うん?マーディーからだ」

『アッシュ、元気?突然で悪いんだけど
ちょっと力を貸してほしいの・・・』
スキップは電話で話すアッシュを
静かに見つめている