寝る前ショーター46
黄色い砂(イージュンがN.Yに来てから編⑦)
何も俺は意地悪してるわけじゃない
張大に来る客はほとんどが常連だ
オマケに俺か”張さん”が厨房にいるときには
客は決まったものしか頼まねぇ
それはまあ俺の料理がアレだから・・・で
イージュンがオーダーとるのはたやすい
と思ってた
実際そうだった
「よお、マーディア今日は蒸し鶏の・・・
ゲッ、ショーターかい?!」
「なんだよその言いぐさ、いいぜ蒸し鶏のなんだ?」
「いや、いいよ炒飯と汁ソバで」
緊張した顔でイージュンが伝票を片手に
常連の横に立ってる
「Can I help you?」
「お、イージュンちょっとは
英語上達したか?」
イージュンはにこっと笑うとオーダーを
ヤツに聞き直し俺に伝えた後
「これでいい?」
と少し緊張が解けたような表情
上等!
姉貴の手伝いをしていた事もあって
客のなかでもいくらかは
イージュンを知ってるようだ
そしてイージュンは俺が思ってたよりも
随分よく動いて働いた