寝る前ショーター51
黄色い砂(イージュンがN.Yにきてから編⑩)
俺はせわしなく出てゆく
イージュンの背中に向かって
「お前の学校どこにあるんだ?」
「ブルックリン・ハイツの△〇×スクール!!!」
アイツが結構役に立つことが分かったんで
今日はバイクで迎えに行って
買い出しを一緒にやってもらおう
学校前で待ち構えていたら
楽しそうに友達と話しながら出てくる
イージュンを見つけた
俺の顔を見るなりげんなりした表情だ
くくく、そんな顔するなって姉貴が帰って
来るまでの我慢だ!
「おいイージュンしっかりつかまってろ」
「え・・・?つかまるって・・・」
「こうだよ」
イージュンの両手を俺の腹のところで
しっかりクロスさせて
「離すんじゃねえぞ」
バイクを一気に加速させた
なんか後ろで叫んでるみたいだが
まあ・・・いいか
その日の張大は常連ばかりではなかった
初めて見る白人ヤローがイージュンの
英語に難癖つけて面白がってやがる
(クッソ!)
中華包丁片手に(ネギのまだくっついた)
「おっと、お兄さんうちの新人が英語が不自由で
ゴメンよ。俺がオーダー聞くからもっかい言ってくんない?」
って言ってやると突然おとなしくなり
何も食わずに出ていった。
やれやれ・・・
おっと、一難去ってまた一難か
今度はどうも日本人グループの客だ
お?イージュン?今度はあいつ・・・
日本語でしゃべってる?
『あー助かりました。チャイナタウンのお店は
結構英語が通じなくて、私たち英語もダメなのに
中国語なんてもっとできない!あなた日本の方?』
『いいえ、私は台湾人です。でも母が
日本人なので多少は話せます。お役にたててよかった』
ほんとにイージュンは役にたつぜ